下手英メールマガジン

下手な英語もこうすりゃ使えるのサイト、このメールマガジンを発行する為に誕生したようなものです。

自分自身が海外生活で体験した事が、「英語が使えるようになりたい!」と思っている方々の少しでも参考になればと、2002年にメールマガジンを創刊することを決めました。元々、文章を書くことが好きでしたし。当時、メールマガジンの発行には、発行者のWebサイトのようなものがあった方が良いということで、このサイトも誕生しました。(というか、そう記憶してます。いやはや、ひと昔前のことなので、若干、記憶があやふやですが…。汗;)

当時、たくさんの読者のみなさんにメールマガジンを購読していただいたこと、そして、感想等をお寄せいただいたこと、今でも感謝しています。読者の皆さんお一人おひとりに、感謝の気持ちをお伝えすることは出来ませんでしたが、読者の皆さんには、ありがとうの気持ちでいっぱいです。

その後、諸事情により発行が途絶えてしまいましたが、それでも応援し続けて下さった皆さんのお蔭で、サイトを再び復活させる元気も勇気も持つことが出来ました。ありがとうございます!
ここでご紹介しているバックナンバーの内容が、皆さんの「英語が使える様になりたい!」という目標の実現に、少しでもお役に立てば幸いです。
メールマガジンをnoteでも公開中です!

    
         2003年5月15日発行  -第八号-
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      下手名英子(へたなえいこ)の
      下手な英語もこうすりゃ使える!
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☆はじめに☆ 

みなさん、こんにちは。下手名英子です。

ここ数日、晴れの日が続いているクライストチャーチです。
日中、日差しの中にいると、暖かく感じることさえあります。

でも、やはり冬。朝、車のエンジンが温まるまでに、かなりの時間
が掛かって困っています。待ちきれなくてスタートすると、信号待
ちの時にエンストしたり…。

朝晩、吐く息が白くなってきたクライストチャーチから、このメー
ルマガジンを楽しみにして下さっている読者の方々に感謝しつつ、
今回も「役に立つような立たないような英語の技」をお届けしま
す。 英子


皆さんからいただいたメッセージへのお返事を、下記ページに掲載
しています。メッセージを下さった方も、そうでない方も、一度ご
覧になってみて下さい。(第七号に対する追記もあります。)
http://www.nademoya.biz/jp/eigo/message.php



★今回のお題は…★

「訛っているのはどっち?」

英語の訛りについて、実は、よく質問されます。
「ニュージーランドの英語は訛っているんですか?」とか。

また、私自身も含めて、多くの日本人の方々が、自分の話す「日本
語訛りの英語」にコンプレックスを持っていたりします。
「私の英語は、日本語英語だから…」と。

さて、この訛りについて、ず~っと考えていたら、「言葉に訛りの
ない人って誰を指すのだろう?」という疑問に辿り着いてしまいま
した。
実は、言葉に訛りのない人なんて一人もいなくて、誰もが、何らか
の訛りを持っているのではないだろうかと。

私は、広島で生まれて、高校を卒業するまでは広島県内で育ちまし
た。
周りが全て「広島の人」という状況では、なかなか、「…じゃ
けぇ~」という訛りが自分自身にあることに気づきませんでした。
ある日、スポーツニュースで、当時の広島の達川選手がインタ
ビューに答えているのを聞いて、「ひっ、広島弁て、すっ、すごく
訛っとるんじゃなぁ~」と驚いたことを覚えています。
(ちなみに、私はカープの大ファンでした。海外に出てから、野球
の試合を観る事も出来なくなってしまいましたが…。大阪に住んで
いた頃に、甲子園球場で、タイガースファンの人たちに囲まれて、
一人、カープのメガフォンを持って応援していたのは私です。)

そうなんです。同じ訛りを持つ人の中で生活していると、その訛り
に気づかなかったりするんです。

この気づいたり、気づかなかったりする「訛り」、周囲の環境など
の影響を受けて、他の訛りに移行したりもするようです。

例えば、子供の頃、東京から転校生がやってくると、クラス中が
「東京弁(関東弁)」になるという現象が起きたことがありまし
た。
その他:
大阪で働いていた頃、東京から転勤してきた人は、何年経っても大
阪弁(関西弁)にならなかったり。
逆に、大阪から東京に転勤した人は、大阪弁を使い続ける人と、東
京弁になってしまう人とに分かれたり。
ご両親が九州の出身という大阪に住む友達は、私と話しているうち
に、多少の広島弁訛りになったり。

どうやら、人は、訛りを、自分の中で無意識のうちにランク付けし
ているような気がします。
そうしておいて、人それぞれ、自分の意識の中で、同じランクの訛
りには影響を受けたり、受けなかったり、自分の訛りより下のラン
クに位置付けている訛りには絶対移行しなかったり、自分の訛りよ
り上のランクに位置付けている訛りには移行し易く、また、移行出
来ない時には劣等感を感じるのではないかと分析してみました。

(ちなみに私は、大阪で8年ほど暮らした後、バッタモン大阪人とし
て認めてもらえるだけの大阪弁は話せるようになりました。が、広
島弁も捨ててはいません。広島の人と話せば、広島弁になります。
でも、一時期、広島に帰省していても「大阪弁」を話していた頃が
あります。)

では、英語の場合はどうでしょう。

英語は、大きく分けると、「アメリカ英語」と「イギリス英語」の
二つに分けることが出来ると思います。
私が聞いた範囲では、「イギリス人はアメリカ英語を嫌い、アメリカ
人はイギリス英語を気にしない又は、中にはイギリス英語に憧れる
人もいる」というのが一般論のようです。

無意識のうちに、イギリス英語を、アメリカ英語より上とランク付
けしている人が多いということなのかも知れません。

日本語と同じように、海外のスターがテレビでインタビューに答え
ているのを聞いたりすると、自分の出身地の訛りをそのまま持って
いる人や、イギリス英語からアメリカ英語へ、アメリカ英語からイ
ギリス英語へ移行させてしまった人など、人それぞれのようです。
地元のテレビ局のトークショーに出た時や、大きな賞の受賞式など
で、その人本来の持つ訛りが出てしまったりすることがあるのを聞
くと、とても興味深く感じます。


今ならこんなにはっきり違いの分かる「アメリカ英語」と「イギリ
ス英語」も、海外で生活を始めた頃は、私にはその違いが分から
ず、全て同じ英語に聞こえていました。
その頃の私の中には、「日本語英語」と「英語圏の人が話す英語」
の二つしか、英語に対する訛りのレベルが無かったような気がしま
す。
その後、アメリカ英語、イギリス英語、中国語英語、韓国語英語、
ニュージーランド訛りの英語、オーストラリア訛りの英語、アイル
ランド訛りの英語…と訛りのレベルは増えていきました。

不思議なもので、母国語としない言葉の場合、自分の持つ訛りは、
一番下のレベルに位置付けてしまいがちなようです。
逆に、日本語を母国語とする場合、「広島弁」も、「大阪弁」も、
日本語を母国語としない人の持つ「訛り」に比べると、そのレベル
を上だと考えてしまうようです。

これが、英語圏の人と話をする時に、自然に自分の英語に対して
「劣等感」を感じたり、相手が「優越感」を持っているように見え
る原因ではないかと思います。

さて、皆さんからよく聞かれる「ニュージーランドの英語は訛って
いるんですか?」という問いに対する答えですが、ニュージーラン
ドは移民の国で、親、又は祖父母の世代がこの国に移民して来たと
いう人達が多いようです。
なので、自分自身はニュージーランドで生まれ育ったという人も、
両親が海外から移民して来た、又は、どちらかの親が海外から移り
住んで来たという場合、たとえそれが英語圏の国からであったとし
ても、話す言葉に微妙な訛りを持っています。
また、ニュージーランドの各地にも、その地方の訛りや方言があっ
たりします。
日本で、親の出身地の言葉の訛りを子供が受け継いでいたり、各
地方特有の訛りや方言が存在するのと同じです。

でも、訛りって、あって悪いものではないし、自分のキャラクター
を表現する為に、欠かせないもののように思います。

ラスベガスで出会った大阪弁のアメリカ人ガイドさんは人気者でし
た。大阪で日本語を勉強していたという外国人の人は、海外で出会
う日本人に大阪弁で話し掛けると、最初は驚かれるものの、すぐに
打ち解けることが出来たそうです。

「日本語訛りの英語」を話す事や、「訛りのある英語」を学んだ
り、身に付けたりすることは、必ずしもマイナスには作用しないよ
うです。逆に、使い方によっては、プラスに作用することもあるよ
うです。

「コ・ニ・チ・ワ、オゲン・キ・デェス・カァ~?」と、日本語を
母国語としない人達が日本語でお互いに挨拶をしていても、その訛
りには気づかないことが多いようです。
私の英語にフィジー訛りがあったことも、フィジーで暮らしている
間には気づかず、ニュージーランドに戻ってきてから、ニュージー
ランド人の子供に指摘されて初めて気づきました。

言葉の訛りって、相手の訛りに気づくことは出来ても、実は、自分
自身の訛りには、自分自身で気づくことが出来ないものなのかも知
れないと思います。
母国語ではない言葉を話しているのだから、きっと訛っているんだ
ろうと感じるものの、どこが、どう訛っているのか、自分自身
では分からない。
だから、必要以上に気にしたり、劣等感を持ったりするのかも知れ
ません。
海外で、他の日本人が話している英語を聞いて、初めて、「日本語
訛りの英語」というものに気づいた方もいらっしゃるのではないで
しょうか。

「日本語英語」を指摘する英語圏の人たちも、実は、「自分自身の
訛り」には、気づいていなかったりするのかも知れませんね。

そう、同じ訛りを持つ人の中にいると、その訛りには気づかなかっ
たりするものの、どの言語にも、置かれた環境や、話す人のバック
グラウンドによって、何らかの訛りは生じるようです。

考えれば考えるほど、訛り、そして方言は奥が深いことに気づいて
しまい、まとまりが無くなってしまいましたが、どの言語を使う場
合でも、それが、母国語かそうでないかに関わらず、誰もがその人
特有の「訛り」を持っているのは確かなのではないかと思います。

その「訛り」を気にしている為に、その言語を使うことを躊躇する
必要は全く無さそうです。

今回の技は:
「自分の訛りが気になる時は、相手も訛っていることに気づきま
しょう!」


第八回目の「下手な英語もこうすりゃ使える」はいかがでしたか?
次回は、「言葉はみんな生きている」をお送りします。
次号送信は、5月29日を予定しています。

第八号を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今回も、とりとめもなく書いている内に、文章が長くなってしまい
ました。
長文の嫌いな方、申し訳ありません。

今は、自分の「広島弁」訛りも、「大阪弁」訛りも、「日本語訛り
の英語」も大切に思っている私です。
上手く使い分けて、重宝することもあります。
でも、残念なことに、それを「恥ずかしい」と思う時期があったこ
とも確かです。
自分の生まれた土地、生活した土地、自分の母国語の名残りを持つ
ことを、「恥ずかしい」と思うことこそ、「恥ずかしい」ことです
よね。
全ての訛りが、私を「味」のある人間にしてくれていること、ま
た、私の言葉により「私らしさ」を加えてくれる「貴重な隠し味」
になってくれていることに、今では感謝しています。
皆さんも、皆さん自身の言葉が持つ「訛り」を大切にして下さい
ね。


「下手英」のWebサイト内、自力で学ぼう(日本国内編)のページ
に新しい項目を追加しました。

☆英語で日本について勉強してみる
☆日本に住む外国人向け英語情報誌などを読む

第7号の中でも少し触れましたが、日本滞在中に見つけた情報と、
ニュージーランド人の知り合いに頼まれて調べた情報の中から、英
語の勉強に役立ちそうなものをまとめたものです。

興味のある方は、下記ページをご覧になってみて下さい。
http://www.nademoya.biz/jp/eigo/study.php?place=jp



第八号に対する皆さんからのご意見・ご感想をお待ちしています。
また、こんなことを聞いてみたいという質問も受付中です。

このメールマガジンや「下手な英語もこうすりゃ使える」のサイト
に関するお問合せは、 eigo@nademoya.biz までお願いします。
それでは、次号をお楽しみに…。

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下手な英語もこうすりゃ使える!
2003年5月15日 -第八号- (隔週発行)

担当者: 下手名英子(へたなえいこ)
発行元: なぁでも屋オンライン出版部
発行元住所: PO Box 13601, Christchurch, New Zealand
発行元サイト: http://www.nademoya.biz/jp/eigo/
発行元へのお問合せ: eigo@nademoya.biz
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